朝から晴れて気持ちよい空が広がっている。が、風が思ったより冷たくて思わず首を縮める。

準備運動を入念に行って3日ぶりのランニングだからスローペースで走り出す。
今日は田園風景が広がる郊外のコース。しばらく走ると全身が汗ばんで足取りが軽快になってくる。

まだ朝が早いせいか歩道ですれ違う人も少ない。住宅街を通り過ぎて田畑が広がる郊外の道に入ったところでペースが上がって息遣いも忙しなくなる。

小川にかかる橋を渡ったところで前方に犬の散歩をさせている婦人が見える。白い犬も気付いたようで立ち止まって、いつものように威嚇するように頭を前に出しながら私を見ている。

おはようございます!
婦人と挨拶を交わした途端、ウーウーウー、ワンワンワンワン、ワンワンワンワンと吠え出す。

リードを引っ張って一生懸命になだめる婦人。毎回の事で慣れている。いつもならこのまま通り過ぎるところだが、今日は思い切って立ち止まってみた。

ウーウーウーウー、ワンワンワンワン、ワンワンワンワン。一層激しく吠え立ててくる。
しかし、よく見ると尻尾を振りながら吠えている。
私は犬の目を見ながら右手を拳にして顎の下に近づけていく。

ウーウーウーウー。犬は逃げも噛み付きもしないで腰を落とした。
拳を開いて顎の下を撫でると激しく尻尾を振って甘えた声を出した。

この犬と会って一年。ようやく心が繋がったのが嬉しくなり、軽快なペースで家路についた。
毎朝のランニングの楽しみが増えた気がする。